34-187~189 K市保健センターの管理栄養士である。

問. K市保健センターの管理栄養士である。
相談者は、K市在住の 35 歳、女性。第 1 子妊娠中である。

187. プレママ・パパ教室の際に、「姉の子どもが卵アレルギーだったので、自分の子どもも心配です。今後、私や子どもの食事で気を付けることは何ですか。」と相談を受けて助言した内容である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 妊娠中の今から、あなた自身の卵の摂取を控えましょう。

(2) 出生後に母乳を与える際には、あなた自身の卵の摂取を控えましょう。

(3) 離乳食を開始する時期を遅らせましょう。

(4) 初めて卵を与える際には、よく加熱した卵黄にしましょう。

188. 7 か月乳児健康診査の際に、「卵を初めて与えてしばらくしたら、湿疹がひどくなって心配です」との相談を受けた。最初にすべきこととして助言した内容である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 離乳食を一時中止してください。

(2) 卵を原料とした食品を全て除去してください。

(3) 湿疹の治療を含めて、医師に相談してください。

(4) 卵白特異的 IgE 抗体の検査を受けてください。

189. 児が 3 歳になって、保育所に預けることが決まった。医師からは卵アレルギーの診断がなされている。この児を受け入れることが決まった民間保育所から、給食での対応をできる限り行いたいということで、K 市保健センターに相談があった。助言内容として、誤っているのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 家庭でこれまで摂取したことのある食品の種類を把握し、記録してください。

(2) 給食対応の単純化のために、完全除去を基本としてください。

(3) 調理室でアレルゲンの混入が起こりにくい献立にしてください。

(4) 除去食を開始した場合には、在園中は見直しの必要はありません。

(5) 月別の献立表に使用食品について記載し、家族に配布してください。

 

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解説
187 答. (4)

× (1) 妊娠中の今から、あなた自身の卵の摂取を控えましょう。
× (2) 出生後に母乳を与える際には、あなた自身の卵の摂取を控えましょう。
子どもの食物アレルギー予防のために、妊娠及び授乳中の母親が特定の食品を避けることに関する効果は示されていない。

× (3) 離乳食を開始する時期を遅らせましょう。
離乳の開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない。児の正常な発育のためにも、生後5~6か月ごろから離乳を始める。

(4) 初めて卵を与える際には、よく加熱した卵黄にしましょう。
卵黄は卵白よりもアレルゲン性が低く、さらに加熱することでアレルゲン性を低下させることができる。そのため、初めて卵を与える形態として適切であるといえる。

188 答. (3)

(3) 湿疹の治療を含めて、医師に相談してください。

卵を与えてから湿疹がひどくなったことから、卵による食物アレルギーが疑われるが、その他の食材によるアレルギーの可能性、そもそも食物アレルギーではない可能性もある。

(平成27年乳幼児栄養調査では、食物アレルギーの疑いで医療機関を受診した者のうち、実際に食物アレルギーであると診断された者は76.1 %であった。)

そのため、安易に食物アレルギーであると決めつけて除去などを行わず、湿疹の治療も含めて医師に相談するように促すことが適切である。

189 答. (4)

(1) 家庭でこれまで摂取したことのある食品の種類を把握し、記録してください。

(2) 給食対応の単純化のために、完全除去を基本としてください。

(3) 調理室でアレルゲンの混入が起こりにくい献立にしてください。

× (4) 除去食を開始した場合には、在園中は見直しの必要はありません。
在園中にアレルギーが治る、または新たなアレルゲンがみつかる可能性もあり、都度見直しが必要である。

(5) 月別の献立表に使用食品について記載し、家族に配布してください。
 

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