34-185~186 中小企業の特定保健指導を担当している管理栄養士である。

問. 全国健康保険協会(協会けんぽ)の K県支部に勤務し、中小企業の特定保健指導を担当している管理栄養士である。
被保険者Aさん、55歳、男性。昨年の特定健康診査で腹囲とトリグリセリドが基準を超え、動機づけ支援の対象となり、特定保健指導を受けた。半年後の評価時には行動目標が達成され、体重と腹囲の減少がみられた。
今年の特定健康診査結果は、身長 170 cm、体重 70 kg、BMI 24.2 kg/m2、腹囲88 cm、トリグリセリド 165 mg/dL。飲酒歴有、喫煙歴無、服薬治療無で、再び動機づけ支援の対象となった。

185 特定保健指導の初回面接における、管理栄養士の発言である。  最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 昨年頑張って改善したのに、また保健指導の対象になりましたね。

(2) 今年の健診結果について、どのように思われますか。

(3) 昨年の指導内容と行動目標を覚えていますか。

(4) 昨年はうまく改善できたのですから、今年も頑張ってください。

186 初回面接の話し合いで、週2日休肝日をつくる、腹八分にする、今より10分多く歩く、という3つの行動目標を決めた。半年後の評価では、身体活動の目標は実行できていたが、「食事とお酒は仕事上の付き合いが多く、今の立場では無理」と訴えた。体重は変化していなかった。Aさんへの助言である。  最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) どんなに仕事が忙しくても、あなた自身の健康のためですよ。

(2) 昨年はできたのですから、今から気持ちを切り替えて、頑張ってください。

(3) 今回の目標は難しかったようですから、別の目標を自分で立ててください。

(4) 歩くことは続けて、来年も健診を必ず受けてください。

 

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解説
185 答. (2)

(2) 今年の健診結果について、どのように思われますか。
結果をどのように受け止めているのか、行動変容への準備性が確認できる発言である。

昨年と現在では状況が異なっている可能性も高く、(1),(3),(4)のように、昨年のことばかり持ち出して対象者のモチベーションを低下させるような発言は適切ではない。

186 答. (4)

× (1) どんなに仕事が忙しくても、あなた自身の健康のためですよ。
Aさんは、自身のおかれている状況と向き合いながらできる範囲で目標を実行している。にもかかわらず、できていないことををとりあげる発言は、今できている行動のモチベーションすら低下させる可能性がある。

× (2) 昨年はできたのですから、今から気持ちを切り替えて、頑張ってください。
Aさんが「今の立場では無理」と発言しているにも関わらず、具体的な方法を提示することもなく今の目標を継続させようとしている。

× (3) 今回の目標は難しかったようですから、別の目標を自分で立ててください。
目標を修正するのは良いが、別の目標を立てる際には管理栄養士がサポートする。

(4) 歩くことは続けて、来年も健診を必ず受けてください。
半年後の評価では体重は増加していなかった。そのため、現在実行できている行動を続けてもらい、定期的に健診を受けるよう促すことが適切である。
 

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