38-117 急性心不全で緊急入院した患者に対し、集中治療室で利尿薬投与による加療が行われた。

問. 急性心不全で緊急入院した患者に対し、集中治療室で利尿薬投与による加療が行われた。入院 4 日目、症状は軽快し、一般病棟に転棟して経口摂取が開始された。入院日から 4 日目までの臨床症状の変化をモニタリングした結果として、最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

項目 — 入院日 — 4日目
(1) Japan Coma Scale — Ⅱ-20 — Ⅲ-100

(2) 起座呼吸 — なし — あり

(3) 体重(kg)— 55 — 52

(4) 頸静脈怒張 — なし — あり

(5) 心拍数(回/分) — 60 — 120

 

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答. (3)
解説

項目 — 入院日 — 4日目
× (1) Japan Coma Scale — Ⅱ-20 — Ⅲ-100
⇒ Japan Coma Scale(JCS)は意識障害の評価指標であり、数字が大きくなるほど意識障害が重度である。

JCS1桁は「覚醒している状態」、JCS2桁は「刺激すると覚醒する状態」、JCS3桁は「刺激しても覚醒しない状態」を表す。

× (2) 起座呼吸 — なし — あり
⇒ 起座呼吸は、肺うっ血に伴う呼吸困難により生じるものであり、左心機能の低下を示す。

(3) 体重(kg)— 55 — 52
体重の減少は、利尿薬の投与により浮腫が軽快したことを示す。

× (4) 頸静脈怒張 — なし — あり
⇒ 頸静脈怒張は、頸静脈のうっ血により生じるものであり、右心機能の低下を示す。

× (5) 心拍数(回/分) — 60 — 120
⇒ 心拍数の増加は、心拍出量低下の代償反応であり、心機能の低下を示す。