問. 急性心不全で緊急入院した患者に対し、集中治療室で利尿薬投与による加療が行われた。入院 4 日目、症状は軽快し、一般病棟に転棟して経口摂取が開始された。入院日から 4 日目までの臨床症状の変化をモニタリングした結果として、最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
項目 — 入院日 — 4日目
(1) Japan Coma Scale — Ⅱ-20 — Ⅲ-100
(2) 起座呼吸 — なし — あり
(3) 体重(kg)— 55 — 52
(4) 頸静脈怒張 — なし — あり
(5) 心拍数(回/分) — 60 — 120
答. (3)
解説
項目 — 入院日 — 4日目
× (1) Japan Coma Scale — Ⅱ-20 — Ⅲ-100
⇒ Japan Coma Scale(JCS)は意識障害の評価指標であり、数字が大きくなるほど意識障害が重度である。
JCS1桁は「覚醒している状態」、JCS2桁は「刺激すると覚醒する状態」、JCS3桁は「刺激しても覚醒しない状態」を表す。
× (2) 起座呼吸 — なし — あり
⇒ 起座呼吸は、肺うっ血に伴う呼吸困難により生じるものであり、左心機能の低下を示す。
○ (3) 体重(kg)— 55 — 52
体重の減少は、利尿薬の投与により浮腫が軽快したことを示す。
× (4) 頸静脈怒張 — なし — あり
⇒ 頸静脈怒張は、頸静脈のうっ血により生じるものであり、右心機能の低下を示す。
× (5) 心拍数(回/分) — 60 — 120
⇒ 心拍数の増加は、心拍出量低下の代償反応であり、心機能の低下を示す。