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日本人の食事摂取基準(2020年版) 変更点まとめ

本日(2020/04/01)から、2020年度が始まりますね。

2020年度から2024年度の5年間、日本人の食事摂取基準(2020年版)が使用されます。

2020年版では、2015年版と何が変わったのか?早速、変更点を見ていきましょう!

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食事摂取基準(2020年版) 主な変更点一覧

主な変更点は以下の通りです。

  • 策定方針の変更
  • 高齢者の定義・区分の変更
  • エビデンスレベルの設定
  • たんぱく質エネルギー比率の目標量変更
  • 小児の目標量追加
  • 食塩相当量の目標量変更

ひとつずつ見ていきましょう!

 

策定方針

2015年版では、健康の保持増進、生活習慣病の発生予防及び重症化予防が策定の基本方針として挙げられていましたが、2020年版では、これらに加えて、高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定されました。

それに伴い、食事摂取基準の対象者についても以下の記載が追加されました。

また、高齢者においてはフレイルに関する危険因子を有していたりしても、おおむね自立した日常生活を営んでいる者及びこのような者を中心として構成されている集団は含むものとする。具体的には、歩行や家事などの身体活動を行っている者であり、体格が標準より著しく外れていない者とする

策定の基本的事項に関する問題は、過去にも何度も出題されているため、要チェックです!

 

高齢者の年齢区分の変更

2015年版では、70歳以上が高齢者とされていましたが、2020年版では65歳以上が高齢者とされ、高齢者の区分が65~74歳、75歳以上の二つの区分に分けられました。

それに伴って、目標BMIの範囲も変更されています。

【出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)】

こちらの過去問などは答えが変わってきますね
31-86 日本人の食事摂取基準(2015年版)における、目標とするBMI (kg/m2)の範囲(18歳以上)に関する記述である。

エビデンスレベルの設定

目標量の算定に限り、参考情報としてエビデンスレベルが設定されました。

 

たんぱく質エネルギー比率の目標量

2015年版では、1歳以上の全年代で13%E~20%Eとされていましたが、2020年版では、50~64歳で14~20%E、65歳以上で15~20%Eとなりました。

 

小児の目標量追加

若いうちからの生活習慣病予防を推進するため、飽和脂肪酸、カリウムについて、小児の目標量が設定されました。

飽和脂肪酸

2015年版では、成人(18歳以上)でのみ目標量が設定されていましたが、2020年版では、3歳以上で目標量が設定されました。

【出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)】

さらに、脂質に関しては脚注にあるように、

  • 脂質異常症の重症化予防のための摂取量として、コレステロールを200 mg/日未満に留めることが望ましい
  • トランス脂肪酸は1%E未満に留めることが望ましい

ということが記載されました。

 

カリウム・食物繊維

2015年版では、6歳以上で目標量が設定されていましたが、2020年版では、3歳以上で目標量が設定されました。

 

ナトリウムの目標量引き下げ

2015年版では、成人のナトリウム(食塩相当量)の目標量は、男性:8.0 g未満、女性:7.0 g未満でしたが、2020年版では男性:7.5 g未満、女性:6.5 g未満と、0.5 gずつ引き下げられました。

【出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)】

さらに、高血圧及びCKDの重症化予防のための摂取量が6.0 g/日未満とされました。

 

その他

エビデンスの蓄積などに伴い、各種指標の追加や、細かな数値の変更が行われました。

例)成人におけるクロムの耐容上限量追加、1歳以上でモリブデンの推定平均必要量・推奨量設定 など

微量ミネラルは、すべての栄養素で耐容上限量が設定されたことになりますね。

 

終わりに

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、昨今の社会情勢を反映して、高齢者に関する部分を中心に見直されたみたいですね。

国家試験でも、今回の変更点を中心に食事摂取基準に関する問題が出題されると予想されるため、しっかりチェックしておきましょう!

報告書全文はこちら⇒日本人の食事摂取基準(2020年版):厚生労働省

 

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