34-195~197 K町健康増進課に勤める管理栄養士である。

問. K町健康増進課に勤める管理栄養士である。
K町は、脳血管疾患の標準化死亡比(SMR)が 147.5 と高い。対策を検討するため、K 町のデータヘルス計画に用いられた国保データベース(KDB)システムの集計結果を用いることになった。KDB には、健診情報、医療情報、介護情報が収載されている。
K 町では、国民健康保険被保険者を対象に、特定健康診査を集合健診により実施している。

195 脳血管疾患の予防対策を検討するために、高血圧の有病者割合に加えて、KDBシステムから得られる重要な情報である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 特定健康診査受診率

(2) 特定保健指導実施率

(3) 受診勧奨者の医療機関受診率

(4) 要介護認定率

196 KDBシステムを用いた検討の結果、50 歳代男性に高血圧の有病者割合が高いことが確認された。これまで一次予防対策としては、減塩に取り組んできたので、今後は、野菜摂取の対策に重点を置くことになった。具体的な対策を検討するため、町の特定健診受診者全員を対象に食事調査を実施し、いつ、どこで、どのように野菜を摂取しているかを把握することになった。食事調査法として、最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 陰膳法

(2) 食事記録法(秤量法)

(3) 24 時間思い出し法

(4) 半定量食物摂取頻度調査法

197 食事調査の結果、50 歳代男性は地元の飲食店利用が多く、外食の場合、野菜料理が少ないことが明らかになった。そこで、野菜摂取量の増加が期待される食環境整備を計画した。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 地元のケーブルテレビの協力を得て、野菜摂取に関する広報を行う。

(2) 地元の飲食店の協力を得て、メニュー表に、各メニューの野菜量を表示してもらう。

(3) 地元の飲食店の協力を得て、どの食事にも、野菜ミニ小鉢が付くサービスを行ってもらう。

(4) 地元の生産者団体の協力を得て、「道の駅」で地場産野菜を買うと、地域ポイントがつく仕組みを作る。

 

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解説
195 答. (3)

(3) 受診勧奨者の医療機関受診率

脳血管疾患は高血圧がリスク因子となるが、早期発見して降圧薬を服用することなどにより発症を抑制することが可能である。
このことから、健診で医療機関の受診を勧められた者が、医療機関を受診して適切な治療を受けているかどうかは、脳血管疾患の予防対策を検討するために重要な情報であるといえる。

196 答. (3)

町の特定健診受診者全員を対象に実施することから、手間や費用がかかりすぎず、「いつ、どこで、どのように野菜を摂取しているか」を把握できる方法を選択する必要がある。

× (1) 陰膳法
いつ、どこで、どのように野菜を摂取しているかの把握は難しく、かつ莫大な手間と費用がかかる。

× (2) 食事記録法(秤量法)
秤量法は、摂取した食物の重量を測定しなければならず、対象者の負担が大きい。

(3) 24 時間思い出し法
対象者の負担も少なく、面談により食事摂取の状況を細かく把握できるため、最も適切であるといえる。

× (4) 半定量食物摂取頻度調査法
いつ、どこで、どのように野菜を摂取しているかという、細かい食事の状況を把握できない。

197 答. (3)

(3) 地元の飲食店の協力を得て、どの食事にも、野菜ミニ小鉢が付くサービスを行ってもらう。

「食事調査の結果、50 歳代男性は地元の飲食店利用が多く、外食の場合、野菜料理が少ないことが明らかになった」ことから、地元の飲食店と連携してプログラムを実施することで、野菜の摂取量増加が期待できる。

(2) の「メニュー表に、各メニューの野菜量を表示してもらう。」では、野菜の摂取量が客のメニュー選択に依存しており、どの食事を選んでも野菜が付くサービスのほうが、直接的な野菜摂取量の増加が見込める点で適切であるといえる。

 

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