36-177~179 Kクリニックの管理栄養士である。

問. K クリニックの管理栄養士である。
患者は、38 歳、男性。事務職。健康診断で肝機能異常を指摘され、受診した。精査の結果、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断された。
身長 170 cm、体重 79 kg、BMI 27.3 kg/m²、腹囲 92 cm。AST 66 U/L、ALT 88 U/L。1 年前の健康診断時は、体重 72 kg、BMI 24.9 kg/m2、腹囲 87 cm であった。
飲酒は、缶ビール 350 mL を週 3 回程度。喫煙習慣なし。運動習慣なし。朝は食欲がなく、ヨーグルト(脱脂加糖)を 1 個食べて出勤する。間食として毎日 3 回程度、缶コーヒー(乳成分入り・加糖)を飲む。この 1 年間は仕事が忙しく、残業が増えて帰宅時間が遅くなり、夕食を遅く摂ることが多かった。

177. 主治医と相談し、まず 3 か月間の食事療法と生活習慣の改善を試みることになり、栄養食事指導を行うことになった。 3 か月後の目標である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 3 kg の減量

(2) BMI 22 kg/m² への減量

(3) 腹囲 85 cm 未満の達成

(4) AST、ALT の正常化

178. 目標達成を目指した食事改善のアドバイスである。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) 朝のヨーグルトに、バナナなど果物を入れて食べるよう助言する。

(2) 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。

(3) 帰宅が 20 時を過ぎたときは、夕食を抜くことを提案する。

(4) 禁酒を勧める。

179. 3 か月後再診し、目標は達成されていた。さらに 3 か月後にフォローアップする予定であったが、以降来院しなくなった。翌年の健康診断では、体重、腹囲はほぼ前年の状態にまでリバウンドしており、肝機能異常も再燃したため来院した。再度、栄養食事指導を行う際、患者との信頼関係を構築するための声掛けである。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

(1) せっかく目標達成したのに、リバウンドしてしまいましたね。

(2) お仕事が忙しくて、来られなかったのですね。

(3) ご自分では、リバウンドの原因をどのようにお考えですか。

(4) 脂肪肝の怖さを、理解されていますか。

 

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解説
177 答. (1)

(1) 3 kg の減量

男性は、BMI 27.3 kg/m2の肥満に、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を合併していることから、肥満症である。
肥満症では、3~6か月を目安に現体重の3%以上の減量目標を設定する。

178 答. (2)

(2) 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。

毎日3回程度飲んでいる缶コーヒー(乳成分入り・加糖)を無糖のものに変えることにより、少ない負担で摂取エネルギー量を減らすことができる。

179 答. (2)

(2) お仕事が忙しくて、来られなかったのですね。

信頼関係を構築するためには、相手を責めるような発言ではなく、共感的理解を示すような発言が適切である。