問. K 市の子育て世代包括支援センターに勤務する管理栄養士である。
保健師から、妊婦 A さんが胎児の成長に必要な栄養が摂れているか心配しているので、相談にのってほしいと言われた。
A さんは、18 歳、妊娠 8 週目、初産婦。未婚、一人暮らし、接客業、年収 180 万円。
身長 160 cm、体重 55 kg、妊娠前体重 54 kg、喫煙習慣なし。飲酒習慣なし。つわりの症状はない。
171. 1 日の食事内容を聞き取った(表)。普段も同じような食事をしているという。 「このような食事で大丈夫ですか。」という A さんに対する返事である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) エネルギーはほぼ足りていますし、主食・主菜・副菜も摂れているので、大きな問題はないですよ。
(2) エネルギーは足りていますが、主菜が足りなく改善が必要ですね。
(3) エネルギーはかなり不足していますが、主食・主菜・副菜は摂れているので、問題はないですよ。
(4) エネルギーは不足していますし、主菜も足りなく改善が必要ですね。
172. さらに、妊娠中期に向けて優先すべきアドバイスである。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) 葉酸のサプリメントを摂取しましょう。
(2) 間食に果物を食べましょう。
(3) 朝食に主食も食べましょう。
(4) 夜の間食はやめましょう。
173. A さんから簡単にできる料理を教えてほしいと言われた。要望を踏まえ、さらに A さんの状況を考慮して提案する料理である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) 1 回で食べきれる料理
(2) 有機農産物を利用した料理
(3) 多様な食材を使った料理
(4) 食材費が安価な料理
解説
171 答. (1)
○ (1) エネルギーはほぼ足りていますし、主食・主菜・副菜も摂れているので、大きな問題はないですよ。
Aさんの食事量を食事バランスガイドのSVで数えると、以下のようになる。
<朝食>
牛乳・乳製品:2SV
<昼食>
主食:2SV
主菜:3SV
副菜:2SV
<間食>
牛乳・乳製品:1SV
<夕食>
主食:2SV
主菜:2SV
副菜:3SV
<計>
主食:4SV
主菜:5SV
副菜:5SV
牛乳・乳製品:3SV
妊産婦のための食事バランスガイド(下図)と照らし合わせてみると、概ね主食・主菜・副菜が摂れているといえる。エネルギーについては、主食がやや不足しているものの、間食の摂取もあり、ほぼ足りているといって差し支えない。
172 答. (3)
○ (3) 朝食に主食も食べましょう。
妊娠中期には、妊娠初期と比べてエネルギーの付加量が 200kcal 増加する。そのため、現在やや不足気味の主食を、牛乳のみの摂取となっている朝食に追加することでエネルギーを補うようアドバイスする。
173 答. (4)
○ (4) 食材費が安価な料理
A さんは、18 歳、未婚、一人暮らし、年収 180 万円であることから、経済的な負担の少ない安価な料理を提案することが適切である。