問. K 社員食堂の運営を受託する給食会社に勤務する管理栄養士である。経営状態の改善を目的に、この施設の経営管理を任されることになった。経営状態を把握し、収益性を予測するために損益分岐点分析を行った。この施設の A 期から B 期への売上高、固定費、変動費の変化を表に示す。
194. 損益分岐点分析から導き出されるアセスメント結果は、変動費率 a 、損益分岐点売上高 b 、収益性 c であった。a,b,cに入る正しいものの組合せはどれか。 1 つ選べ。
a —– b —– c
(1) 上昇 —– 上昇 —– 上昇
(2) 不変 —– 低下 —– 低下
(3) 不変 —– 上昇 —– 低下
(4) 低下 —– 上昇 —– 低下
(5) 低下 —– 低下 —– 上昇
195. 経営状態の改善を図るために考えた方策である。損益分岐点分析の結果に基づくものとして、最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) 食材料費の見直し
(2) 消耗品の節約
(3) 正社員の配置の見直し
(4) パートタイマーの配置数の見直し
解説
194 答. (3)
a —– b —– c
○ (3) 不変 —– 上昇 —– 低下
a(変動費率)
変動費率とは、売上高に占める変動費の割合である。
A期、B期の変動費率を計算すると以下のようになる。
A期:120 ÷ 240 = 0.5
B期:125 ÷ 250 = 0.5
したがって、変動費率は「不変」となる。
b(損益分岐点売上高)
損益分岐点売上高は、固定費 ÷(1 – 変動費率)で計算される。
A期、B期の損益分岐点売上高を計算すると以下のようになる。
A期:95万 ÷ (1 – 0.5) = 190(万円)
B期:105万 ÷ (1 – 0.5) = 210(万円)
したがって、損益分岐点売上高は「上昇」となる。
c(収益性)
損益分岐点売上高の上昇は、利益を得るためにより多くの売上が必要であることを意味する。
したがって、収益性は「低下」となる。
195 答. (3)
前問より、変動費率は不変であるため、損益分岐点売上高が上昇した原因は固定費の増加である。
そのため、固定費を削減できる選択肢が最も適切であるといえる。
× (1) 食材料費の見直し
⇒ 食材料費は変動費にあたる。
× (2) 消耗品の節約
⇒ 消耗品費は変動費にあたる。
○ (3) 正社員の配置の見直し
正社員の給与は固定費にあたる。
× (4) パートタイマーの配置数の見直し
⇒ パートタイマーの給与は変動費にあたる。