問. 53 歳、男性。標準体重 64 kg の肝硬変患者。血清アルブミン値 2.2 g/dL、血清フェリチン値 200 ng/mL(基準値 15~160 ng/mL)、腹水・浮腫あり、肝性脳症が認められる。この患者に肝不全用経腸栄養剤 630 kcal を投与した際の、食事から摂取する 1 日当たりの目標栄養量に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) エネルギーは、600 kcal とする。
(2) たんぱく質は、40 g とする。
(3) 食塩は、 8 g とする。
(4) 鉄は、12 mg 以上とする。
(5) 食物繊維は、10 g 以下とする。
答. (2)
解説
× (1) エネルギーは、600 kcal とする。
⇒ 25~35kcal/kgとする(経腸栄養剤のエネルギーも含む)。
○ (2) たんぱく質は、40 g とする。
肝性脳症が認められるため、0.5~0.7g/kg+肝不全用経腸栄養剤とする。
× (3) 食塩は、 8 g とする。
⇒ 浮腫が認められるため、5~7 g程度とする。
× (4) 鉄は、12 mg 以上とする。
⇒ 血清フェリチン値が高いため、6mg 以下とする。
× (5) 食物繊維は、10 g 以下とする。
⇒ 食物繊維は積極的に摂取する。(参考:食事摂取基準のDGは21g以上)