32-191~192 K市の健康増進課に勤務する管理栄養士である。

問. K市の健康増進課に勤務する管理栄養士である。K市では高血圧の有病率が全国より高いため、中高年で正常高値血圧の者を対象とした栄養教室(月1回、通年)を企画した。特定健康診査の際に収縮期血圧が130~139mmHgであった者に周知し、参加希望を募った。教室参加者は40名となった。対照群を設けることができず、教室の評価は前後比較で行うことになった。教室終了時の事後調査に協力が得られた者は 22名であった。

191 食塩摂取量について、対象者の負担が少なく、かつ精度の高い方法で測定した。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1) 連続した普段の日の2日間の写真法による食事記録

(2) 普段の1日の目安量法による食事記録

(3) 普段の日の翌日1回の随時尿による推定

(4) 塩蔵食品、汁物、麺類の摂取頻度の調査

192 食塩摂取量を教室の前後で比較したところ、統計的に有意な減少が認められた。この結果の解釈である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1) 統計的に有意な減少があったため、教室の減塩効果があった。

(2) 対照群を設定していないため、教室の減塩効果があったとはいえない。

(3) 性別を調整していないため、教室の減塩効果があったとはいえない。

(4) 事後調査の人数が少ないため、教室前後の変化を過小評価している。

 

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解説
191 答. (3)

× (1) 連続した普段の日の2日間の写真法による食事記録
対象者の負担は少ないが、写真から塩分摂取量を推定するのは難しく、精度が低くなってしまう可能性が高い。

× (2) 普段の1日の目安量法による食事記録
対象者の負担が大きい。

(3) 普段の日の翌日1回の随時尿による推定
対象者は尿を採取するだけでよいため負担は少なく、生体指標を用いるため精度も高い。

× (4) 塩蔵食品、汁物、麺類の摂取頻度の調査
該当する食品からの塩分摂取量しか推定できない。

192 答. (2)

(2) 対照群を設定していないため、教室の減塩効果があったとはいえない。

前後比較をしただけでは、教室による減塩効果か、季節変化や時間経過による影響かわからないため、教室の減塩効果があったとはいえない。
 

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