33-191~192 地域密着型介護老人福祉施設K荘に勤務する管理栄養士である。

問. 地域密着型介護老人福祉施設K荘に勤務する管理栄養士である。食事介助を担当している介護スタッフからの質問に対応している。
入所者は、76歳、男性。1年前より入所しており、CKD(慢性腎臓病)に対するケアを行ってきた。しかし、病態が悪化して、人工血液透析に移行した。
身長169cm、体重58kg、アルブミン値3.6g/dL、尿量ほとんど無し。

191 施設ではこれまで、透析中の入所者に対応したことがなかったため、介護スタッフから透析移行後の食事の留意点を質問された。その回答として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1) 魚類と肉類の摂取量を少なくする。

(2) 生野菜の摂取量を多くする。

(3) 水分摂取を控える。

(4) 間食を止める。

192 数日後、施設レクリエーションでバス旅行が決まった。その日の昼食はレストランで天ぷら定食を食べることが決まっており、介護スタッフより配慮すべき点を質問された。その回答として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1) ごはんを半分量にする。

(2) 魚介類の天ぷらを全量残す。

(3) 野菜料理を追加する。

(4) 汁物と漬物を控える。

 

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解説

血液透析患者の栄養管理>

・エネルギー:30~35kcal/kg/日
・たんぱく質:0.9~1.2g/kg/日
・食塩:6g/日未満
・カリウム:2000mg/日未満
・リン:たんぱく質×15mg/日
191 答. (3)

× (1) 魚類と肉類の摂取量を少なくする。
血液透析移行後は、たんぱく質摂取量を透析前(0.6~0.8g/kg/日)よりも多くする(0.9~1.2g/kg/日)。

× (2) 生野菜の摂取量を多くする。
カリウム制限(2000 mg未満/日)があるため、生野菜は引き続き控える。

(3) 水分摂取を控える。
水分は、できるだけ少なくすることが望ましい。

× (4) 間食を止める。
必要エネルギー量は増加する(25~35kcal/kg/日→30~35kcal/kg/日)ため、間食をやめる必要はない。

192 答. (4)

× (1) ごはんを半分量にする。
エネルギー源であるごはんを減らす必要はない。

× (2) 魚介類の天ぷらを全量残す。
魚介類はたんぱく源であり、全量を残す必要はない。

× (3) 野菜料理を追加する。
カリウムの多い野菜料理を追加する必要はない。

(4) 汁物と漬物を控える。
食塩は、6g/日未満とするため、汁物、漬物は控えるようにする。